Piggy&Bunny

肩の力を抜いて生きたいアラサーが、息抜きと心の整理の為に書く雑記ブログ

口唇口蓋裂の私

 

 

※主に自分のことを語っていますが、妊娠や子育てにも少し関係することだと思うので、今回はベビ待ち関連のグループにも表示されるように設定しています。

 

 

以前、「ブログの読者が100名を越えたら書こうと思っていたテーマがある」と発言しました。

piggy-bunny.hatenablog.com

 

時間が掛かりましたがなんとか年内に書き上げました…!

自分の経験や思いをダラダラダラーッと書き連ねたものになります。

お時間がありましたら是非ご覧下さい。

面倒な方は1と4だけでも…!

 

 

 

 

口唇口蓋裂とは?

実は珍しい病気ではない

 タイトルにあるとおり、私は口唇口蓋裂という病気で生まれてきました。

「障害児」にカテゴライズされるらしいですが、その表現に首を傾げてしまうくらい元気モリモリ。この病気が生きる上でハンデだと思ったことはありません。

 

皆さんは口唇口蓋裂という病気は知っていましたか?

 

口唇口蓋裂とは、先天的な病気のひとつで、胎生期における口唇や口蓋こうがい(口のなかの上側の壁を指し、鼻腔と口腔を分ける役割をもつ)の癒合が完成しないまま生まれてくる状態を指します。口唇口蓋裂では、唇が離れたままになってしまう「口唇裂」や、口蓋が分かれ口腔と鼻腔がつながった状態になる「口蓋裂」が引き起こされます。

日本では、500~600人に1人の割合で口唇口蓋裂の赤ちゃんが生まれてくると考えられています。口蓋裂のみの患者さんはもう少しまれで、およそ700~800人に1人といわれています 。日本人には比較的よく見られる先天異常とされています。

病気や症状等の医療情報をわかりやすく 医師・病院と患者をつなぐ医療検索サイト | メディカルノート

 

アジア人に多いと聞いたことがありますが、こんなにいるんですね。引用したページを見ながら私自身「へ~」と思うことが多かったです(笑)

思い返せば身近なところにも顔の作りが似ている人がいました。

近所に住むおばちゃん。

そして同級生に一人。この子には勇気を出して直接訊いてみたらそうだと教えてくれました。向こうも私の顔見て「同じなのでは…」と思っていたそう。

なんとなく顔を見るとわかるんですよね。

左右に離れていた唇を縫い合わせているので、上唇が引きつったようになっているんです。

 

医療ドラマで取り上げられて

口唇口蓋裂は医療ドラマ(特に産科系の)で取り上げられて広く知られるようになったのではないかと思います。

私は見たことないのですが、「ギネ」と「コウノドリ」で口唇口蓋裂が取り上げられたことがあると聞いています。

 

お腹の子どもに障害があることがわかった。産むべきか。産まないべきか。産みたいのか。産みたくないのか。

 

どうしてもそんなストーリー展開になってしまいますよね。

当事者としてはそれが苦痛でして…。選別されてしまう命なんだなと。

親としての気持ちはわからなくもないけど、やはり上のようなことを考えて落ち込んでしまうので、胎児の病気や障害を扱う可能性が高い産科系の医療ドラマは敬遠してしまいます。

とは言っても、こうやってドラマなどで取り上げられることで口唇口蓋裂が知られるのはいいことかなと思います。

産まれてくる確立は低くは無いこと。患者数が多いこと。手術すれば普通に日常生活が送れること。それらを知っていれば、もし口唇口蓋裂の子どもを妊娠しても多少はショックを和らげられるかもしれないし、理解が広まれば顔立ちでいじめられる子も減るのでは。

 

 

続いては私のこれまでの人生について語ります。

 

 

子ども時代の思い出

入院と手術

手術は5回しました。生後3ヶ月、生後11ヶ月、3歳、小4、小6だったかと…。

記憶があるのは3歳以降です。当時はなぜ自分が病院にいるのか理解できていませんでした。母親が一緒に寝泊りしてくれていたので寂しくなかったし。

ただ、小学生の時に受けた2度の手術は苦痛でした。

口の中を手術したので術後は固形の食事が取れませんでした。流動食から始まり、普通に食べると鼻下に充てがわれたガーゼが汚れるのでストローで吸っていました。日が経てば徐々に固形の物が出てくるようになったかな。最初はドロドロの糊状の米だったのが、退院する頃にはおかゆになっていました。

おやつはゼリーやプリンばかり。スナック菓子とか絶対食べられない。

 

あと、思い切り笑えないのが地味につらかったです(T T)

笑おうとすると傷口が痛むんですよね~!暇潰しに持ってきていたちびまる子ちゃんを読んでいてもバラエティー番組を見ていても笑えない!笑おうとしたら痛い!

同室に同じ手術をした女子高生のお姉さんがいましたが、一緒に「ひ~っ!笑うと痛い!フフフッいたた…」と、可笑しい→痛い→可笑しいの負の連鎖に陥っていました。

この時ほど抜糸の日が待ち遠しかったことはありません。

 

あだ名は鼻つぶれ

子どもとは残酷なもので、少数派の人間を排除したがりますよね。

私も顔立ちが変わっていることで色々からかわれました。

特に鼻に関しては「潰れてるね」ってよく言われていました。

幸い、攻撃的な口調ではなく「何でそういう形をしてるの?」と興味本位で訊いてくる子が大半だったので耐えられましたが。

"ガラスに鼻を押し当てたような形"と言えばイメージしやすいでしょうか?三角形ではないんです。これは大人になった今でもコンプレックス。高くしたくてしょっちゅう鼻を摘んでいた癖が今も残っています。

 

口の形を指摘されて号泣。親を巻き込む大事件

「大事件」は言いすぎかもしれないけど、私の中では大きな出来事として記憶に残っています。

 

ある日、クラスメイトの男の子から「何で口が曲がってんの?」と言われたのです。

とても傷付きました。口元もコンプレックスだったからです。今まで鼻ばかりからかわれていたので、案外周りの人は私の口の傾きをおかしいと思っていないのかもしれない。そんな淡い希望を持っていただけに、そうではないという現実を突きつけられて酷くショックを受けました。

 

家に帰って部屋に閉じこもり、ずっと泣いていました。

私の異変に気付いた母親が部屋に来ても涙を我慢できませんでした。

子どもの頃、親が唯一ほめてくれた長所が我慢強さでした。そんな我が子が嗚咽を漏らしてボロボロ泣いているのを見て、母も只事ではないと思ったんでしょうね。

まず男の子の家に電話をし、次に担任に電話をしてくれました。習い事先(彼と同じ習い事してたので…)にも電話してました。学校外でも同じようなことが起こらないように色々動いてくれたようです。

 

その夜、男の子が母親に連れられて謝りに来ましたが、私は顔を見せることができませんでした。

親子が帰った後で母から「○○君のお母さんとても申し訳なさそうにしとったよ。○○君泣きながら"ごめんなさい"って言ってたよ」と聞かされました。それを知って、顔を見せなくてよかったと思いました。まるで自分の方が悪いことをしてしまったような気分になるからです。

帰宅した父も「お前は何も悪くなか!お父さんがキツく言うちゃるけん何も気にするな」と励ましてくれました。今でも思い出すと涙が出ます。

翌日、登校してきた私の元に彼がすっ飛んできて「昨日はごめんね」と謝ってくれました。スクールカーストの上位にいるような男子。そんな彼の目が緊張で揺れていたのを今でも覚えています。きっとこっ酷く叱られたんだろう。

 

よくよく考えてみれば、彼は悪意を持ってあんなことを言ったわけではないと思う。

からかうような口調ではあったけど、「何で口が曲がってんの?」ってただの疑問ですよね。「口の形変だな。気持ち悪い」なんて言われたわけではないし…。

でも…彼には悪いけどやっぱり私にとってはあれはイジメでした。

他の子に鼻つぶれと言われたこともそう。

私はこの顔で誰かに危害を加えたわけではない。真面目学校生活を送ってた。"からかい"の域を越えなくても私自身はとても傷付いたのです。

 

口曲がりを指摘した彼がその後どんな大人になったのかは知りません。

あの発言で親に叱られ、相手の家まで謝りに行ったことはトラウマになっていてほしい。もし今子どもがいるのであれば、我が子には絶対そんなことをさせないよう教育してほしい。

何も変わらず大人になってしまったのであれば一発殴らせてほしい。

 

中学〜大人になってから

中学生になると顔を指摘されることはなくなりました。

このぐらいの年齢になると皆言っていいことと悪いことの分別がついているからだと思います。人の容姿を堂々と蔑むこと自体が格好悪いと気付く年頃ですね。

陰口はあったのかもしれませんが、直接言われて記憶にあるのは2回だけです。

 

中3の時に友人の妹(中1)から指で自分の鼻を潰しながら「ねえ、なんで先輩の鼻はこんなふうになってるの?」と訊かれたことがありました。「病気だよ」の一言でサラッと流しました。

何と言うかこいつはもう敬語使えてない時点でクズじゃん。

こういうことを言っちゃう人。当然周囲からも嫌われていました。

どんな大人に成長しているのやら…。どうでもいいですけどね。

 

あともう一つは大学生の時。

駅のホームで電車を待っていると、男性から「お前なんで顔歪んどっとや?」と言われました。

鼻や口というパーツではなく、とうとう顔という範囲を指摘されてしまった…!

戸惑いましたが、例の如く私は「病気です」と答えました。

ふーん、と男性は次にこう言いました。「おれも」と。

一目見てすぐに気付きました。彼は知的障がい者でした。

初対面の人にズバッと言われて少々傷付いたものの、「病気です」「おれも」のやりとりに和んだ自分がいました。容姿の良し悪し、障害の有無に拘らず、今の自分を受け入れて生きていくしかないんですよね。

 

 

自分に自信が無かったけど幸せになれた

恋愛

小学生の時にあれだけ容姿をからかわれたんだからそりゃ自信なくしますわ…;

好きな人ができてもその思いはそっと胸の奥にしまっておくだけ。

特に異性から色々言われることが多かったので男の人と1対1で話すのが苦手になってしまって…。自分が男性に愛されている将来は全く想像できませんでした。

初めてできた彼氏は私に好きだと言ってくれたしキスもしてくれた。でもやっぱり信用できなくて、「綺麗な人に言い寄られたらそっちにいっちゃうんでしょ」と思っちゃったり…。

 

自分に自信が無いから恋愛だけでなく仕事に関しても沢山のチャンスを逃して来たのかもしれません。

 

 

結婚

夫と出会うきっかけになったネット婚活。男性側には私がこういう顔であることを予め知っていてほしかったので、プロフィールに自分の写真を載せていました。

意外にも複数の方から反応があったので、ようやく「顔じゃなくて中身で判断しようとしてくれている人がいるんだ」と信じられるようになりました。

夫との交際がスタートして2回目のデートの時、私は口唇口蓋裂のことを打ち明けました。

「実はかくかくしかじかで…」

「へ~。気にならんけど」 

認めよう。自分が気にしすぎだったということを…!!!(悔涙)

 

ちなみに夫の家族には伝えられていません;もしかしたら彼が伝えているかもしれないけど。詳しい人であれば、私の顔の作りで「何かあるな…」と勘付いている可能性もありますね。

今のところ自ら告白しようとは思っていません。

夫と夫婦になった今、私の口唇口蓋裂は大した問題ではないと思えているからです。

 

 

子どもと将来

遺伝したらどうしよう

口唇口蓋裂の発生要因の一つに遺伝があるそうなのですが、妊活をしている今非常に心配しているのが、自分の子どもに遺伝してしまうことです。

ちなみに親戚には口唇口蓋裂はいないので、私の場合は遺伝要因ではないということになります。

自分が子供時代につらいことを経験したため、我が子はそうなってほしくないというのが正直な気持ちです。

 

だけど妊娠中に子どもに奇形があるとわかったら…それでも産む選択をするでしょう。

口唇口蓋裂の自分が幸せに生きて来られたから、その子も大丈夫だと自信を持って言える。

当事者だから寄り添えることが必ずあるはず。

もし「お母さんから遺伝したせいで」と恨まれても、何があってもその子の味方でいようと思います。私の両親がそうしてくれたように。

 

ベビ待ちの方、妊婦の方、子持ちの方へ

それぞれの家庭の事情、方針があることを差し置いて綺麗事を言います。

胎児に奇形があるとわかっても、産んであげてほしいです。

その子はお父さんとお母さんの力で幸せになれます。

良い行いをしっかり褒めて、悪い行いを厳しく叱って、勝負の時には味方になって、傷付いた時はそっと慰めて、嬉しい時は一緒に喜んで…それでいいんです。

成長するにしたがって、子どもは自分が幸せになる為に勝手に歩き出します。

 

子育て中の方はそれを実践している人もいるでしょう。

でももし!もしお子さんが誰かの容姿を指差して笑うようなことがことがあれば、しっかり叱ってください。「そんなこと言うあんたは心がブスだね!これから見た目も中身も綺麗になろうね!」と。(言い方は何でもいいんですけど;)

 

子育てどころか出産すらしたことがない私が偉そうに語ることではないと思いますが…。

口唇口蓋裂の本人が勝手に願っていることとして、記憶の片隅にでも留めておいてくれればと思います。

 

 30年を振り返って

しょんぼりすることが多かった子供時代を経て、私もあっという間に30歳。

客観的に見てみると、自分の人生って普通だなと思いました。

ブサイクなせいでいじめられたりとか、そんな自分が可哀想だなって思ったりとか。でもたまたま私が顔をからかわれて傷付いただけで、そうじゃない人も世の中には沢山いるはず。容姿より性格を貶される方が傷付くとか。

原因は何であれ、傷付かずに成長した人なんていませんよね。

 

「病気になった人は他人に優しくなる」と語る人がいる。

確かにそれは一理あるけど、100人いれば100人に当てはまるわけじゃない。

口唇口蓋裂の人が全員他人の顔を馬鹿にしないかって言ったらそうじゃない。性格悪い患者だって沢山いる。私にだって好きな顔もあれば苦手な顔もあります(笑)

 

要するに、口唇口蓋裂だからって特殊な人生を送ってきたわけではないってことです。

 

常に味方になり、悪いことをしたら叱り、愛情を持って育ててくれた両親。

ネガティブな私を真正面から受け入れてくれた夫。

気さくに付き合ってくれている友人。

周りの人達への感謝の気持ちを忘れずに2019年も過ごしていきたいと思います。

 

 

 

長くなってしまいましたが、ここまで読んで下さってありがとうございました。

皆様の人生に幸多からんことを!

 

 

 

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